リラックス感覚と音楽

リラックス感覚と音楽

こんにちは。梅雨に入りじめじめとした気候になってまいりましたがいかがお過ごしでしょうか。ちょうど春学期の真ん中あたりに入り、リラックスして今期の前半の疲れを取りたいなぁ、という方が多いと思うので今回は「リラックス感覚と音楽」についてお話をさせていただきます。

皆さんはリラックスするときにはどのようなことをしますか。おやつを食べる、ジュースを飲む、読書をする、といったことを思い浮かべる方が非常に多いと思います。しかし、私は音楽を聴くこと、言い換えれば「音を聴くこと」が「リラックス」をするために必要なものだと思うのです。耳栓をして周囲の音を遮断するよりも、ある程度音の聞こえる場所のほうがゆっくりすることができた経験を持っていたり、(あまりやってはいけない話ですが(笑)) 映画館やライブ会場などの爆音の空間にいると眠くなるという方が多いと思います。それは、“音”が我々にリラックス感覚をもたらすからだと思います。実際、河原や山の中へ散歩しに行くと、どこか癒される感覚を覚えるでしょう。それは、川の水のせせらぎや森の動物の鳴き声などの自然の“音”がそのような感覚を与えてるからではないでしょうか。「音楽」は私たちが電車に乗っていても森の中の風景を頭の中に映し出し、学校にいても河原の土手で日向ぼっこをしてリラックスする様を創り出してくれます。したがって、様々なリラックス感覚を疑似的に今自分自身のいる空間に創り出してくれるのが「音楽」だと私は思うのです。

そこで、リラックス感覚を私たちに提供してくれる自然の音に近いようなアトモスフェリックな音楽やアンビエントな音楽、俗に言う“チルい音楽”を紹介していきたいと思います。選りすぐりの10組のアーティストを紹介していきたいと思うのでぜひ最後まで見て、聴いてみてください。

①Alcest

Alcestはフランス出身の2人組のポストブラックメタル/シューゲイザーバンドであり、この手のジャンルの代表的な存在として知られている。彼らのスタイルは、ブラックメタルにふさわしいギターの音作り、時には疾走する力強いドラムをベースに美しくかつ壮大なアトモスフェリックなサウンドと綺麗なボーカルのメロディが特徴的であり、どこか物悲しい雰囲気を漂わせる演奏が何といってもたまらない。今回紹介する曲は特に壮大なアトモスフェリックサウンドが魅力であり、楽曲後半への展開は鳥肌を立たせるほど美しい。まるで森の真ん中で寝ているときに女神と出会うことを描いた曲、といった表現がふさわしいであろう。

Alcest – Délivrance

https://www.youtube.com/watch?v=9wxZ1DV9xO4

②CHON

CHONはアメリカはカリフォルニア、オーシャンサイド出身の4人組マスロック/ポストロックバンドであり、インスト演奏 (ボーカルがいない) バンドである。また、昨年の10月に初となる来日を果たし大きな注目を集めている。特筆すべきはテクニカルかつ繊細でメロディアスなギター演奏と多用される変拍子である。そこに被さるシンプルだがずっしりと構えるベースサウンド、複雑なドラムプレイによってまさに“チルい”という表現がふさわしい演奏に仕上がっている。下記の曲も上のAlcestの曲とは物が違うが、森の中の散歩というロマンあふれる表現が適当であるといえるものになっている。

CHON – Suda

https://www.youtube.com/watch?v=vsTTXeD-J0k

③joji

joji (George Miller) は日本人とアメリカ人のハーフのアーティストであり、またFilthy FrankやPink Guyという名義でコメディアンとしてYouTubeでの活動をしており、かなり著名な人物である。彼のこのプロジェクトではYouTube上でのぶっとんだ動画の中の彼からは考えられないほど、とても繊細な楽曲を制作しているのである。Lo-Fiヒップホップのようなラジオ感のあるピアノの音にビートを乗せ、そこに彼のセンスあふれる滑らかなボーカルがきれいに調和している様はまさに一種の芸術である。浮遊感あふれる彼の楽曲はまさにリラックスにふさわしいのではないだろうか。

joji – i don’t wanna waste my time

https://www.youtube.com/watch?v=UY3mAoqQh0k

④keshi

keshiはアメリカのヒューストン出身のアーティストであり、おそらく彼もjojiと同じジャンルに属すると思われる。トラップスタイルのビートに合わせてアコースティックギターなどの楽器が加わり、彼の美しいファルセットボイスが見事にマッチングして非常に聴き心地が良い。またこの手のジャンル特有のどこか物悲しい感じが非常にたまらないのである。この曲は夜の公園で一人でいるようなロマンチックだが寂しげな雰囲気をもたらしてくれる。

keshi – over u

https://www.youtube.com/watch?v=2JMMfMJjfEY

⑤Nujabes

Nujabesは東京出身のトラックメーカー・DJであり、アーティスト名は彼の本名である“瀬場 淳”の逆読みから来ている。だが、2010年の2月に起こった不慮の事故により36歳という若さながらも逝去された。サウンドとしてはヒップホップスタイルのドラムビートに流れるようなピアノやギターの音が重なり、アンビエントな雰囲気を醸し出している。また、楽曲の多くはゲストボーカルを招いた形になっており、この曲もそのうちの一つである。非常にやさしい音使いの楽曲が多いので、もしかしたらカフェや洋服屋さんで聴いたことがある方がもしかしたらいるかもしれない。

Nujabes – Feather

https://www.youtube.com/watch?v=jfFTT3iz740

⑥potsu

potsuはアメリカのカリフォルニア出身のトラックメーカーであり、主にLo-Fi系のビートの制作をしている。彼は、楽曲の中に雨音や鳥のさえずり、雑踏などの生活音を多用しており、一言であらわすなら「街のBGM meets ヒップホップ」である。そこに優しいタッチかつエフェクトがかかったピアノや演奏、アトモスフェリックなシンセサイザーが加わり非常に耳に優しい。

potsu – im closing my eyes

https://www.youtube.com/watch?v=Bw6wugjLYU0

またこの楽曲はフロリダ出身のヒップホップラッパー/シンガーであるXXXTENTACIONのJocelyn Floresという曲のサンプルにも使用されており、こちらも併せてぜひ聴いてみてほしい。

非常にショッキングなニュースであるが、昨日19日にマイアミでXXXTENTACIONは何者かに襲撃され、20歳という若さでこの世を去ってしまった。全米アルバムチャートを1位を獲得するほどの若き天才を失ってしまったことは、音楽界に強い衝撃を与えた。私自身彼の大ファンであり、彼が発表する予想もつかないほどトリッキーだが新鮮な曲を楽しみにしていた分非常に悲しい。

ご冥福をお祈り申し上げます。

XXXTENTACION – Jocelyn Flores

https://www.youtube.com/watch?v=FAucVNRx_mU

⑦Slow Hollows

Slow HollowsはカリフォルニアのLA出身の4人組のオルタナティブロックバンドであり、中心メンバーであるAustin Feinsteinは著名なラッパーであるTyler, The CreatorやFrank Oceanなどの楽曲にも参加するなど、そのカリスマ性を多岐にわたって発信している。コード弾きを主体としたギター演奏にふわふわといった表現が適当なエフェクトの効いたキーボードの音がたまに加わる。そこに甘く渋い声のボーカルがうまく溶け込み、独創的なサウンドを奏でる。特にこの曲はドリームポップを感じさせるアンビエントなサウンドやシンセサイザーを多用しており、より一層のチルサウンドを生み出している。

Slow Hollows – Lessons For Later

https://www.youtube.com/watch?v=QLXmlgIe8ag

⑧Spangle call Lilli Line

Spangle call Lilli Lineは東京で結成された3人組ポストロックバンドである。ポストロック的な音使いを基礎としながらも、どことなくポップさを感じさせる演奏が特徴である。そのような演奏に対し、イイ感じに渋みのかかった女声ボーカルが乗ることにより大きく彼らの世界観を広げている。この曲はどこか一人、小さなライトのついた暗い部屋でゆったりしながら聴いてるように感じられるだろう。

Spangle Call Lilli Line – cast a spell on her

https://www.youtube.com/watch?v=V_sBPkxWqc4

⑨Toe

Toeは日本のポストロックバンドであり、いくつかの楽曲にはCharaや木村カエラ、土岐麻子などの有名な日本人歌手がゲストとして参加している。ゆったりとした綺麗な音色のギターに、複雑だが聴きごたえのあるドラミングが特徴的である。彼らは上記のCHONと同様にインスト演奏であるため、BGM感覚で気軽に聴くことができる。この曲は例外的に土岐麻子がゲストボーカルが参加した曲であるが、彼女の甘くとろけるような歌声がさらに高いリラックス感を作り出している。

Toe – グッドバイ

https://www.youtube.com/watch?v=e0RWnzd_b_k

⑩Whirr

Whirrはアメリカはカリフォルニアのサンフランシスコ出身の5人組のシューゲイザー/オルタナティブロックバンドである。彼らの演奏にはノイズ感が感じ取られ、リラックス感を生み出す生活音などのサウンドを連想させる。そのノイズ感の中にどこか悲しげではあるが、甘くつぶやくようなボーカルや浮遊感のあるギターサウンドがあり、程よく調和していて気持ちいい。下記の楽曲からは、夕方の太陽が沈む太陽をまるで家の窓から静かに眺めるようなことが連想されるに違いない。

Whirr – Mumble

https://www.youtube.com/watch?v=5MWDHKLrdV0

また、中心メンバーであるNick BassettはDeafheavenというポストブラックメタルバンドを組んでいる。こちらはかなり疾走感の強い楽曲が大半を占め、曲を通して終始ブラックメタル特有の金切り声シャウトであるが、その演奏の中に美しいギターサウンドやWhirrでも挙げたノイズ感が強く感じ取られ、非常に聴いてて心地よくリラックス感を与えてくれるサウンドを作り出している。この曲は太陽の照る河原の土手で日向ぼっこをしてくつろいでいるかのような感覚を提供してくれる。

Deafheaven – Dream House

https://youtu.be/RWyVhIBmdGw

 

いかがでしたか?お好みのリラックスのお供を見つけていただけたでしょうか。雨が多くて外出できず、家でくつろぐ時間の多いこの梅雨の時期にぜひオススメです。長くなってしまいましたが、最後までご閲覧ありがとうございました。

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